今日も俺はその瞳に魅力される
「だから!別にサボってたわけじゃないんだよ?屋根に登って敵襲が来ないか見張りをしてたんだよ」
間違いなく嘘だと思ったが、俺はの話に付き合う事にした。
「…でなんか見つかったのか?」
「恋次が変な眉毛して走ってました」
「いつもの事だろ」
「イヅルがギン狐探して三千里の旅に出てました」
「それもいつもの事だろ」
「あはは、だね」
が笑ったから俺もつられて笑った。こんなの他愛もない会話そのものだけど、それでもと話していられる事が嬉しかった。
「なぁ、」
「なに?」
「俺の名前、呼べよ」
「へ?なんで?」
「なんでも」
が他の男の名前を口にしたから、とは言えない。
「ん、冬獅郎!」
は笑顔で俺の名前を呼んでくれた。
「」
「わっ」
椅子に座ってた俺に手をひっぱられたは俺の胸に倒れ込んだ。そんなを俺は自分の中に閉じ込めるように抱きしめる。
「ちょっ…さっきからどうしたの?冬獅郎」
声からが少し心配したようにそっと聞いてくる。
はなんにも執着しない。固執もしない。まるで大空を舞う小鳥のように自由奔放に生きてる。
のそんな所に惚れたのも確かだが、それでも時々不安になる。
は俺にも執着しない。
俺はこんなにもに執着してるのに。
しがらみもなく、ただ自由に飛び続ける、それがお前。
いっそのこと
鳥籠にでも閉じ込められたらとも思う。
そしたらずっとお前の事を見てられる。ずっと一緒にいられる。帰ってこないかもしれないなんて心配はもうしなくてもすむ。
でもそんなのは俺の穢れた理想
お前はそんなの望まない。そんな事をしたらお前は輝きを失くし死んじまうんだろうな。
だから俺は不安を消すためこうして時々確かめる。
「」
「何?ッん…」
腕の中にいたの顎を持ち上げ半ば強引にキスをした。舌で唇をなぞり口内に侵入し犯す。暫くは離してやらない。
「んぅ…と、…し、ろぉ…」
息が辛くなってきたのかは俺の胸をどんどん叩いて抵抗してきた。仕方ないからそっと唇を離してやる。
「はぁ……はぁ……ちょ、なにすんのよ!」
俺の大好きな瞳を潤ませ顔を真っ赤にしては俺に言った。
「ざまーみろ」
にキス出来る事
に触れられる事
それはの中に俺がちゃんと存在する証
俺がに影響する事が出来る証拠
こんな事、子供っぽいといわれるかもしれねぇけど。
は相変わらずきっと俺の事を睨んでる。
の瞳が俺は好きだ。
だれよりも大空が似あうにぴったりで俺よりも澄んでるその瞳は、の人柄もあってか、俺の心を全部洗い流してくれる。
その瞳でみつめられると自分がごちゃごちゃ考えてるのが馬鹿らしくなるほどに。
ただ真実だけを見て澄きとおっているの瞳。
「なぁ」
「なに?」
「アイシテル」
「ッ!」
の顔がまた真っ赤にそまる
この言葉に偽りはない
俺はが好き
も俺が好き
それさえあればいい
だけどもう少し望めるなら
自由奔放に生きてる瓶覗の瞳の少女よ
これからもずっと俺の隣に帰ってきてくれ
君の鳴く場所様へ!